西暦3XXX年。
全地球的な巨大な津波が発生し、全ての地域に避難警報が発令された。
「ちょっと待て。津波の高さは1000メートルだって? しかも、15分以内に到達? 避難場所無いよ」未来の少年は叫んだ。「そうだ、ここは未来だ。未来だから、どこにでも行けるドアとか、頭に付けて空を飛べる竹とんぼとか、便利な道具があるだろ」
「あるよ」と猫型ロボットが答えた。「全部充電されてないからすぐ使えないけど」
「じゃあ充電してよ」
「1時間待って」
「間に合わないよ! 大口叩く割に使えないよ君」
そして津波が来たが、未来少年は助かった。なぜかって? 猫型ロボットの大口の中に入って津波をやり過ごしたからさ。
(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)